その家、4万円につき
ブログタイトル、シリーズのくせに微妙に変えました。笑
だってインパクトあった方が面白いかと思って……ふふっ。
あっ、アラサーフリーデザイナーのカニです。前回の記事はコチラです。
そう、私カニはついに家を買ってしまいました!
なんとお値段4万円で。
えっ、だって4万円だよ?買うでしょ?みんなノリで家買うでしょ!!?私だって「えっ?」って思いましたよ。
だって4万円って……そこらの家賃より安いじゃねーか!!!!
なんだそりゃ!!!!!
しかしもちろん、タダで4万円に辿り着けたわけではないのです。ここに至るまでに紆余曲折を経て4万円だったのです。
そして4万円には4万円の理由があるのです。
たかが4万。されど4万。
公売というもの
いきなり4万円の答えですが、そうです公売です。
公売(こうばい)とは、滞納税庁が、国税徴収法に基づき、滞納税金の回収のために差し押さえた財産(不動産または動産)を換価するための手続きのこと。
by Wikipedia笑
そう、今回私は初めて公売というものに参加したのです。
公売なんて個人では人生で滅多にする機会がありません。役所関係の仕事をしている方だったら仕事を貰うのに入札をされるかと思いますが、私はそんなおっきな金額の仕事をしたことがないし、もちろん公売も初めてです。
せっかく初の体験をしたのだから、これから同じように体験する方が不安にならないように「公売体験」をまとめておこうと思います~~!!(そんな人滅多にいないか笑)
公売を見つけたきっかけは「地域おこし協力隊」だったこと
わたくしカニ、もともと「地域おこし協力隊」をやっておりまして、担当課は商工労政観光課。仕事の内容は商店街の活性化でした。
▼詳しくは
その中で「空き店舗対策」というものをやっていたのですがコレがニッチモサッチモ状態で……。
というのも赤平市の商店街(といってもアーケードとかある訳じゃないので商店が集まっているところ)はいつくか難しい問題がありまして。
- その1.人が住んでいる
- その2.土地と建物の所有者が別の人
- その3.所有者が行方不明
……などなど…。
今回は家の話なのでこの辺はざっくり書いておくだけにしておきますが、そんなこんなであまりうまくいきませんでした。なんせ私は市役所の職員でもないし弁護士でもないので個人情報を役所内から貰うことすらできなかったんですからね。
で、地域おこし協力隊を卒業して数か月……。
たまたま役所に用事があって行った時に知り合いの税務課職員さんと話しをしていて「公売物件」の話になりました。
空き店舗だった物件がヤフオクで公売に出されており「元空き店舗対策の担当としてはあの建物どう思う?」なんて話をしていたのです。
(この時、「あー、税務課だったら権限あるからもっと空き店舗対策ガッツリできたんだな…もっと早く気づけば良かった…」なんて思いました)
その時にカニは「私も今事務所探してるんです~!!ついでに住めるところ!でも全然なくて難しいんですよね~。」という話もしておりました。
カニ、「買受勧奨」を受ける
そしてまたまた時は巡り……
私は新事務所を探していました。
住むための家を探していた理由は前のブログでも書いていた通りなのですが、事務所の方もそもそもそんなにずっと借りられる物件じゃなかったために事務所も探していたのです。
そんな時にまた偶然出会った例の税務課職員さん。
再び公売物件の話になりました。
税務課職員さん「今度公売になった物件なんだけどさー」
カニ「あるんですか!!」
税「掲示板に貼ってたしょ」
……掲示板に??????
……マジであった。
そういえば市役所の前にはいつも掲示板に何やら貼ってありました。その中にまさか公売物件情報が貼ってあるとは…。
税金の滞納などで差し押さえられた物件は、「公売になりますよ~!」というのを「広く一般に告知する」ことが決められているそうで、これを「公告」と言うそうです。
えっでも掲示板に貼っただけじゃ誰も気付かなくない!?……と思われるでしょうが、法的にはこれでOKだそうで。
そして私はこの物件の「買受勧奨」を受けたわけです。
この「買受勧奨」とは公売物件を買う可能性のある人に「こんなのありますよ~!」と積極的に入札のオススメをすることだそうです。
私以外にも同じ物件で買受勧奨を受けている人がいるとのことで、私も他の人同様に「公売のお知らせ」と「物件の詳細」の書類を貰って帰りました。
しかし公告から入札日まで1か月もない…。
なぜ大きな決断にはいつもこんなに時間が無いのか…。
(そういえばフリーランスになる時も1週間とかしか悩む時間もらえなかったな…)
私はちょっと考えました。
ちょっと実家にも相談しました。(GWもあったし)
で、決めました。
4万円ならとりあえず入札参加してみよー♪(勢い)
不安なので中を見せてもらう(内覧)
勢いで心を決めたものの、やっぱりちょっと中も分からない建物を買うのは怖いものです。ていうか4万円って安すぎね?
(もしかしてオバケ出るの?)
ということで再び税務課にお願いし、建物の中を見せてもらうことにしました。こういう内覧会(私しかいないけど)はやることは少ないそうですが、入札を検討してますから!!!とお願いしました。
…なんか超家財道具残ってる。
(こわい)
しかし間取りや物の残り具合、建物の傷み具合、直さなきゃいけない部分などを一通り確認できました。水道や電気などの大事なインフラに関しては当然ですが契約するまで確認ができないのでバクチ状態です。
…と言っても十中八九ダメになってるでしょうね…。
しかし中は数十年前にリフォームがされているようで、外見は昭和の雰囲気でも内部は普通に平成の雰囲気。汚くなっているもののユニットバスにシャワートイレにフローリング。
ただしテレビがブラウン管なので地デジ化する前に住民が居なくなっていたようです。…つまり2011年に完全移行しているそうなので短くても7年は誰も住んでいないことになります。(近所の人も10年くらい誰も住んでないって言ってました)
とはいえ一軒家が4万円って怪しい!!こんなに広いのに!!と思いましたが、それも理由を税務課職員さんがきちんと教えてくれました。
(オバケが出るわけじゃなかった)
この公売物件は、お隣さんと壁を共有しています。つまり2階建ての一軒家だけど1棟2戸の長屋のようなもの。
古い建物(昭和35年築!)なので解体費用がかかると見込まれて、解体費用を差し引いた額になるのですが、この建物を壊すと隣の家の補修をする必要があり、その解体+補修費用でほとんど土地建物の金額を飲み込んでしまうから4万円になるんだそうです。
……さらりと「普通に考えて解体する物件」って言われてる…。
いやっ、いいのいいの!
ほら「築100年の古民家をリノベーション」とかって聞くし(アレは構造がしっかりした古民家だからできるんだけどね!)周辺のお宅もみんな同じ築年数だけど住んでる人いるし!!
なんとかなるさ!!(たぶん)
またどうしてこの物件が差し押さえられたのかはここでは差し控えようと思いますが、声を大にして言いたいのは事故物件じゃなかったということです!!!!
(オバケ出ないよ!たぶん!)
ということで、不安が広がったところで次はこのボロ屋にかかるお金が心配です。今支払っている家賃を維持費が上回ったら意味がありません。
元を取るには何年住めばいいのか、修繕にいくらかけられるのか…家を確認してからざっとかかりそうなお金をまとめてみました。
……税務課職員さんに聞いて。(頼みすぎ)
家を取得するのにかかるお金とは
私が検討していたお家は最低入札価格4万円。
「4万ポッキリで家が買えるぞ~~~!!」
……となるかと言ったらそういうわけではありません。
不動産を取得するとなると他にも色々とお金がかかってくるということを、今回の一連で教えてもらいました。
【取得にかかるお金】
- 買受代金(今回は4万円)
- 登録免許税(今回は14,500円)
- 不動産取得税(まだ通知届いてないけどたぶん2万~3万円くらい?)
- 贈与税(今回は0円)
【取得するとその後かかるお金】
- 固定資産税(たぶん7千円くらい?毎年かかる)
- 市町村によっては住民税がアップするかも(赤平市は関係なさそう)
- 維持費・修繕費
つまり取得するだけなら10万円以下で済みそうです。これなら数か月で元が取れます。
……あとは修繕にどれだけかかるか(かけるか)ですけどね…。
しかしこれらの金額はこの物件の評価額が安かったからこうなっているわけなので、良い金額の中古物件を買う方は要注意です!!場合によっては一軒家の賃貸の方が安く済む可能性もあるのでお気を付けを。
いざ、入札へ
さて、中も見させてもらい…
かかる金額も確認し…
いざ、入札へ!!!!
……と思いましたが、長くなりますのでまた今度。笑
入札ってどんな感じ?何するの?金額ってどうやって決めるの??などなど……公売の気になる点を書いておこうと思います。
お楽しみにv
▼次回カニ、入札会場でドキドキする
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